Bitfinexの流出ビットコインを、米国司法省が4,150億円分を押収することに成功!容疑者2人も逮捕
アメリカの司法省は2022年2月8日、仮想通貨取引所のBitfinex(ビットフィネックス)が2016年にハッキング被害に遭い不正流出したおよそ12万BTCのうち、9万4千BTC(現在のビットコイン価格で4,150億円相当)を押収したと発表した。また、司法省は同時に、盗難した仮想通貨を資金洗浄したとして2名の人物を逮捕したことも併せて発表している。仮想通貨関連の押収額では、アメリカ司法史上最高額となる。
4,150億円?!こんな巨額のビットコインを押収できたなんて、ものすごいお手柄!!
今回逮捕されたのは、ニューヨーク在住のIlya Lichtenstein(イリヤ・リヒテンシュタイン)容疑者(34歳)と、その妻Heather Morgan(ヘザー・モーガン)容疑者(31歳)の2名だ。2人はマネーロンダリングと詐欺の容疑で起訴されており、最大25年の懲役が科されるとみられている。Bitfinexのハッキングについては引き続き捜査が続く見込みだ。
妻のモーガン容疑者は、「Razzlekhan」という名前でラッパー兼Youtuberとして活動しており、公式サイトでは「ウォール街の悪名高いワニが再び襲いかかる!」という煽り文句で売り出していた。さらに、モーガン容疑者はアメリカ経済誌のForbesに寄稿するライターとしても活動しており、得意分野のサイバーセキュリティやビジネス戦術、Youtuberになる方法などについての記事を公開していた。
リヒテンシュタイン容疑者が2019年に公開したラップの動画はこちら。
※残念ながら動画は現在非公開化されてしまったようです!
・・・どうコメントしたらいいのやら。多額の仮想通貨を盗んで被害者に迷惑をかけていながら、のうのうとラッパーしていたと思うとイライラするな…
ちなみに夫のリヒテンシュタイン容疑者については、投資家として活動していたらしい。
盗難されたビットコインは、ハッカーがBitfinexのシステムに侵入した後、2,000超の不正取引を行い、その後リヒテンシュタイン容疑者が保有するウォレットに送金されていた。当時のレートは1BTC=約6万円で、盗難された12万BTCは72億円相当だった。
その後5年の間、盗まれたビットコインのうちおよそ2万5千BTCは複雑なルートで資金洗浄した後にリヒテンシュタイン容疑者のウォレットから2人の銀行口座へ送金され、残りの9万4千BTC超は、そのままウォレットに保管されていたそうだ。
今回は特別捜査官が捜索令状が出た後、リヒテンシュタイン容疑者のオンライン口座内のファイルにアクセスし、秘密鍵を取得。この手法でウォレットにあった9万4千BTC超を押収することが出来た。今回発表された押収額には、2万5千BTCの方は含まれていない。
捜査令状があれば、司法の力で容疑者のオンライン口座にアクセスできる!
資金洗浄には、架空のIDでオンラインアカウントを作成したり、取引を自動化するプログラムを活用したり、短時間に多くの取引を行ったりと、高度な手口を使っていたらしい。また、仮想通貨取引所以外にもダークマーケットも経由させ、盗難されたビットコインは複数の異なる種類の仮想通貨に交換もされていたという。
今回押収した仮想通貨は、司法省の金銭的な押収物としては最高額。米連邦捜査局(FBI)の副局長のポール・M・アバーテ氏は、今回の発表に際し以下のようにコメントした。
『犯罪者は必ず足跡を残す。今回の事例で、FBIがデジタル上の痕跡を徹底的に追跡できるツールを保有していることを示せた。FBIのチームや法執行機関らが協力すれば、我々はどんな高度な手段を駆使した犯罪でも追跡を行い、犯罪者に正義の鉄槌を下すことができる。』
ひゃー!!FBIカッコいい!!頼もしくて痺れちゃうね!今後も未解決の仮想通貨ハッキング事件を次々解決していってほしい!(特にかりんが盗まれたコインチェックのNEMをお願い!)
2人が盗んだビットコインについて改めて知りたい人はこちらの記事を読んでね!